研修講師・カウンセリング・メンタルヘルス対策など、職場環境づくりのお手伝いを私共にお任せください。 経験豊富な講師、専門カウンセラー、専任セラピストがお手伝いいたします。

2022-07 心のビタミン

  • HOME »
  • 2022-07 心のビタミン

 シニア産業カウンセラーの藤井です。
暑い日が続いていますが、皆様お変わりはないでしょうか。
室内と室外の温度差のせいで体がだるい、あるいは、冷たいもののとりすぎで胃腸の調子が優れないといういわゆる「夏バテ」の症状がある方もいらっしゃるかもしれません。

「夏バテ」というと体の不調を思い浮かべますが、不調は体だけではありません。
暑すぎて何もやる気が起きない、気持ちがついてこないなど、疲労感や倦怠感が
積み重なった状態を「心の夏バテ」といいます。汗による不快感や寝苦しさ、体調が優れないことに対する心理的ストレスなど、心の夏バテは暑さによって生まれる、小さなストレスが積み重なったことが要因です。
こまめに休養を取りながら無理なくお過ごしください。
     
冒頭の心の夏バテの症状の「暑すぎて何もやる気が起きない、気持ちがついてこない」について、今回はもっと掘り下げてみたいと思います。
今回のテーマは、先延ばし癖(先延ばし症候群(PCN症候群))です。
     
 ・やらなくてはいけないと思いつつも、ついつい後回しにしてしまう。
 ・ギリギリになるまで取り掛かることができない
「心の夏バテ」ではなくても、多くの方が仕事や勉強などでこのような経験をしているのではないでしょうか?
     
プライオリティーを無視してしまう
私も、この「心の癖」と戦っています。
有難いことに年間を通じて多くの研修依頼をいただいている関係で、毎年4月半ばから年度末までノンストップで、次から次に研修資料の作成に追われていきます。ゴールデンウィーク目前という言葉を聞いたとたんに、「さぁ今年の研修が始まる~。さてどの研修の準備から始めようか?」○日までに作成を終わらせなければ次の研修の準備とかち合うなどなど、強迫観念めいた気持ちというか、

決意が脳裏をよぎります。仕事の段取りを締め切りの時期に応じて
組み立てていくのですが、いつもよりやることが増える事実に、必要以上の
焦りを感じてしまう状況です。時間が足りないのはわかっているので早めに準備を開始するのですが、思ったとおりに作業が進まず、焦るばかりで、時間の流れも早い気がします。それなのに、机の上を片づけてみたり、いくつかあるメールのアカウントを順番にチェックして、いつもより丁寧に返信したりしてしまう。やるべきことは山ほどあるのに…。
(テスト前に机の片づけを始めていた学生時代と何ら変わらない私です)
こういう状態を、PCN症候群というらしいです。
     
どうでもいいことを優先し、本来しなければならないことを後回しにしてしまう。
プロクラスティネーション=先延ばし行動とも呼ばれています。
幸い私の場合、ご迷惑をおかけすることなく(自分勝手に思い込んでいるだけかもしれません・・・)
自分の困った「心の癖」と付き合いながら生活できていますが、
中には、仕事を山のようにため込んでしまい、それを誰にも打ち明けることができずに、現実(ため込んだ仕事に向き合うことができず、心の不調となる方がいらっしゃいます。
もし、先延ばし癖に思い当たりのある方は、今回の記事を参考にしてみてください。

     
先延ばし癖には “4つのタイプの脳” がある
医学博士の吉田たかよし氏は、先延ばしする脳を「先送り脳」と呼び、4つのタイプがあると分析しています。

タイプ①「めんどうくさい脳」・・・「なんだかめんどうくさいなぁ」という思いから後回しにする
タイプ②「キチキチ脳」・・・「初めから完璧にこなさければ」という重圧から行動が後手になる
タイプ③「なんとかなるさ脳」・・・「いざとなったら間に合うさ」という過剰な自信で後回しにする
タイプ④「ネガティブ脳」・・・「うまくいくだろうか……」という不安が億劫にさせて後回しにする

必ずしもひとつのタイプに限定されるわけではなく、先延ばしする対象や自分が置かれている状況によって、複数のタイプが表れることもあるそうです。
※例えば プライベートに関しては「めんどうくさい脳」だが、仕事に関しては「キチキチ脳」など。

     
皆さんはどのタイプでしょうか?

先延ばし癖を改善するヒントがここにある!
     
全てのタイプにお勧め➡ 「夜更かしをしない」
多くの学者の研究から「睡眠の質」が翌日の先延ばし度に大きな影響をもたらすことが判明しています。
根を詰める作業をしたりスマートフォンをいじったりして夜遅くまで起きてしまい、充分な睡眠をとらないまま朝を迎えることは作業効率を落とすことになるのですね。
※睡眠不足の自覚がある人は、まずは生活習慣を改め、夜更かしをやめるところから始めましょう。

     
タイプ①「めんどうくさい脳」にお勧め➡ 「やる気が湧くのを待たない」「最初から長時間頑張ろうとしない」
脳神経外科医の築山節氏によれば、脳は基本的に変化に対応して動くものらしいです。
何もしていない状態では脳の活動が低下するので、ボーっとしてやる気が起こるのを待っていたところで、やる気スイッチは入らないようです。
また、タイプ①の人が最初から長時間の作業に挑むのはNGとのこと。
「まずは10分だけやってみよう」くらいの気持ちで取りかかるのがポイント!!
なぜならば、やる気に関わる脳の側坐核は、実際に行動を起こしたときにこそ活性化するから、とりあえず手をつければ、やる気は自然と湧き出てくるものらしいです。
     
タイプ②「キチキチ脳」にお勧め➡ 「いきなり難しい課題に取り組まない」
                       「できて当たり前と自分に厳しくしすぎない」
脳は簡単なことをしようとするときによく動くのだそうです。逆に「できそうもない」「何から手をつけたらいいのか分からない」と思ったら、意欲が起こらないのも当然ですよね。だからこそタスクを細分化して、小さな成功体験を積み重ねましょう。たとえば、レポート作成ならば「資料のピックアップ」や「構成の考案」と細分化して考えるのがよさそうですね。
     
タイプ③「なんとかなるさ脳」にお勧め➡ 「デスク周りを散らかさない」「すぐにSNSやネットを見ない」
勉強しようと思ったものの、急に部屋の汚さが気になり掃除を始めてしまう……など、やるべきことを前にしながら時間を浪費する行動は、心理学では「逃避行動」と呼ばれています。
そうならないための整理整頓は大切です。また、スマホの通知をオフにするなど気が散ってしまうものや事柄を排除することも有効だと思います。
     
タイプ④「ネガティブ脳」にお勧め➡   「失敗したときのことを考えない」
                         「日頃から愚痴や悩みをひとりで抱え込まない」
                         「新しいことへの挑戦をためらわない」
「ネガティブ脳の人は失敗を引きずりやすく、愚痴や悩みをため込みがち」と言います。適度に周囲に打ち明けて感情を整理する習慣をつくるのがお勧めです。ネガティブな感情を引きずると、行動や思考を止めてしまいます。

     
マンネリ化はやる気を削ぐ原因
ある刺激に対する反応が徐々に減少していくことを、心理学では「馴化(じゅんか)」
と言います。仕事で先延ばし癖が出たときは、もっとできることはないか探したり、知識を深めるために本を読んだり……といった工夫で刺激を与えてみてリスタートを切るのはいかがでしょうか。
     
先延ばし癖を改善するコツは、毎日の睡眠や思考法など、身近なところにあります。
気軽に試せることをご紹介いたしました。
先延ばし癖が気になる方は、参考にしてみてください。

お気軽にお問合せください。 TEL TEL / FAX 099-203-0259 10:00~17:00

PAGETOP
Copyright © 働く人の心の保健室 ガトウリア All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.