2022-10-心のビタミン

シニア産業カウンセラーの藤井です。
　　　　　
まだまだ夏の残る陽気ですが、皆様、体調はいかがでしょうか？ 　
秋は、読書、食欲、スポーツなど最適な季節と言われますね。
ストレス解消にもってこいの時期だともいえます。
この時期、前月号でお話ししたように、夏の疲れから秋バテになる方も少なくありません。
夏の暑さが緩み、朝晩過ごしやすくなった今だからこそ、時間を有効に利用してストレス
解消してみてはいかがでしょうか。
　　　　　
今回の心のビタミン処方箋は、「感情コントロール」についてお話いたします。
　　　　　
　思い通りにはいかない人間関係、プライベートと仕事の調整など、自分なりに一生懸命やってもなかなかうまく
いかず、イライラしたり、落ち込んだりすることはありませんか。
ミスをしたその場で落ち込んだり、気の合わない人の発言でイラっとするという程度ならよくあることですが、
常に誰かに当たっていたり、1週間毎日自分を責めてしまったりするようなら、一度立ち止まってみませんか。
落ち込みやイライラで自分の行動を狭めてしまったり、対話のチャンスを怒りで潰してしまったりするのは、
自分の可能性を制限してしまいもったいないことです。「感情のコントロール」はストレスの軽減につながります。

　　　　　
価値観という眼鏡
　　　　　
わたし達の思考は、日々、様々なものを判断しています。　　　　
その判断の基は「自分の価値観」。 
価値観は、自分の経験や性格、育った環境、出会った人々から
影響を受け、形成されていきます。形成された価値観は、あらゆる
場面で自分の物事の感じ方に大きく影響を及ぼします。
青色レンズのサングラスをかけて世の中をみると、すべてが青色に
染まるように、自分の価値観という眼鏡を通して物事や人を見ると
自分の価値観色に染まった状態で見えてしまいます。その価値観眼鏡で見えたものから判断してしまうので、物事の本質を見逃たり、誤解をしたまま物事にあたって感情が揺さぶられて落ち込むこともありますよね。
眼鏡が視力に合っていないと頭痛がするように、ネガティブな認知は気分を落ち込ませ、ミスやトラブルを招き、自分を否定する思考やネガティブ状況に陥らせてしまいます。
自分がかけている眼鏡（価値観）が、自分を苦しめる原因になっていないか？他者との人間関係に悪影響を
与えていないかを点検することも大切だと思います。
もし、今かけている眼鏡（価値観）に不具合を感じたら、新しい眼鏡（価値観）に変えてみるのも必要かもしれ
ません。

　　　　　
眼鏡（価値観）の点検をしてみましょう
よくある「価値観」眼鏡
０か100の白黒眼鏡
物事のすべてを白黒付けないといけないと思う眼鏡。 　　　　
?融通が利かなくなり、頑なな考え方の原因
　　　　　
すべてをネガティブに映す青色レンズ眼鏡
たとえ良い面・良い結果があっても「間違えた・ミスした」という事実に目がむく眼鏡。
?不安や自信喪失の原因
　　　　　
物事を四角四面に映す真四角眼鏡
「～しなければならない」「～すべきだ」にとらわれて、実際に起きていることや 　
関係者の背景に関係なく批判・判断をする材料を見つける眼鏡。
?責任感が強く働き、自己嫌悪に陥る原因
　　　　　
視界が狭まるレンズの小さい眼鏡
自分が理解している物事、納得している物事しか見えない眼鏡 
?周囲との摩擦の原因　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　
ゆがんだ眼鏡
自分が感じた感情に基づいて「事実」を曲げて見せてしまう眼鏡。
※感情が背後にあるので、ちょっと無理な理由付けでも「もっともらしく」感じられてしまうのが問題です。
?自己中心的な行動の原因
　　　　　
自分がイライラ・ネガティブを感じたとき、皆さんはどうしていますか?
　　　　　
自分の眼鏡の点検に有効なのは客観視。
かっとなったとき、イライラしてしまったとき、心が苦しくなった出来事を書き出して、
何が原因なのか見つめてみるのもよい方法です。
書いたものを、時間をおいて見返し、書かれた中から「いつ」「どこで」「誰の」
「何に」「どうして」「どう感じたのか」を分類すると、何が見えて何が見えていない
のかわかり、自分の眼鏡の特徴に気がつきやすいかもしれません。
　　　　　
眼鏡はあなたの目ではありません。外すのも、選ぶのも、使いやすいように自由にいつでも調整もできる
「道具」です。　　一度、点検してみましょう。